先日、今年夏に公演予定の作品のクリエイションがスタートしました。Dance Well石川実行委員会として、初めての試みです。
前後のスケジュールとの兼ね合いもあってですが、約束の1時間半前には到着し、これまで作品のアイディアについて書き綴ってきたノートと、にらめっこ。こんなにどきどきするのは、ちょっと久しぶりかも、という感覚でした。
今回出演してもらうDance Wellダンサーズに作品の出演をオファーさせて頂いた際、まっすぐにこちらの目を見て「挑戦してみたいです」とおっしゃったその言葉と表情が目に焼き付いていました。日々、言葉のみで思い伝えるのが難しいと感じる私ですが、昨日はまずダンサーズに、なぜ私がこの作品をやりたいか。アイディアは何処からやってきたのか。そして、なぜDance Wellダンサーズと共に作品に臨みたいのか。ということをお話させて頂きました。約2時間、話をしたり少し動いてみたりする中で再確認したことがあります。
それは、今回ご一緒するダンサーズ(パーキンソン病と共に生きる方)がいかに自分の身体を扱うプロフェッショナルであるか、ということです。椅子に座っているときにも時には注意しないと椅子から落ちそうになったり、狭い空間を歩く際に歩幅が狭くなったりするという日常生活での経験に対して、どのように身体を使うか、意識を向けるかを、少なくとも起きている時間帯は常時行なっているのです。
ダンサーと呼ばれる人々は、確かにダンスの訓練を重ねて舞台に立ったり指導にあたったりしているかもしれませんが、常に休むことなく自身の身体や意識に対して敏感にアンテナを立てているか、と問われると、yes!と大声で答えることができるダンサーの方が少ないのではないかと、個人的には考えます。
継続的なクラスと、ダンス作品展開をみせるDance Wellの活動がなぜ、パーキンソン病と共に生きる方々に注目した活動であるか、について、この日さらに深く納得したのでした。じわじわと心では感じていましたが、会話をすればするほど、一緒にダンスすればするほど、Dance Wellダンサーズに魅了されている自分を、もう認めざるには居られません。
書いた人:なかむらくるみ
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