まずはご参加の皆様からの感想やご意見を頂きました。とにかく楽しかった/という感想。
*絵を鑑賞する仕方に捉われていた気がする。今日の体験は自由で、今は身体がふわふわしている感じがする。
*多くの場合は、なんとなく緊張感を持ち訪れる方も多い美術館。最初に展示室で寝た!これが良かった。
*大きな絵を描くときは身体を使って描く。身体全体を使って描いた大きな作品もあるこの環境で身体を使って鑑賞できたのが良かった。
*彫刻作品を真似する、というような身体表現を用いた作品鑑賞の方法を実践したことが過去にあったが、真似をするだけがそうでは無いと思った。
*平面である作品が人の動きをとおして立体になってきた。/作品、空間の見え方が変わってきた。
課題と感じられる部分としてのご意見は、
*なぜパーキンソン病と共に生きる方に焦点があたった活動なの?と、どうしても思ってしまう。
*ダンス、と聞くと年代や性別によっては身構えてしまう人がいて参加を促してもなかなか実現しない。
という点があげられました。
なぜ?と問いかけられると、私自身もどんな言葉で返すのが良いか悩むことがあります。現地で質問をしてきてほしいという宿題も頂いていたこともあり、この夏イタリアでDance Wellに長年継続参加しているEvaに話を聴いたところ、答えはとってもシンプルで、
楽しいからよ!
以上。Dance Well自体はリハビリは治療では無いが、楽しいと感じるときにドーパミンは出る。だから結果的に身体にもプラスの影響が現れるのだけれど、なぜ続けているか?という質問の答えは、楽しいから。と答えてくれました。そのエピソードを聞いて、同感の声も上がっていました。
私が今回のトークで1番心に残ったのは、
「パーキンソン病のわたし達の動きは、ダンサーの皆さんにはどんなふうに見えますか?わたし達の動きが、魅力的です!と、言ってほしいです。」
という言葉。その言葉を聞けたことがとても嬉しく、率直にそう思います、とお伝えしました。ダンサー達は、それぞれに鍛錬を積んで舞台に上がっていますが、進行性のパーキンソン病の症状と24時間向き合っている皆さんは、身体のスペシャリストで、生み出される動きも、身体に対して向き合う姿勢も、私が真似しようと思って出来る事では無い。私は基本的に自分に無いものをもっている人、自分と違う人には魅力を感じながら日々の生活を送っているので、ご参加の方からのその言葉を一週間経った今も噛み締めています。素直に、正直に自分を導いてくれるDance Wellの活動に、改めて感謝した土曜日でした。
書いた人:なかむらくるみ
《開催概要》 ・日時:2019年11月9(土)10:30~11:30(10:00より受付開始) ・場所:石川県立美術館 第4展示室
金沢市出羽町2-1 http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/ ・料金:無料。要予約、観覧券不要 ・募集人数:20名 ・対象:パーキンソン病と共に生きる方 /Dance Wellに興味を持ってくださる方。初心者歓迎。 ・講師:なかむらくるみ ・アシスタント:松田百世/山田洋平 ・主催:Dance Well石川実行委員会 ・共催:石川県立美術館 ・協力:鈴木治男
石川県立美術館「鈴木治男 共生の森」 の展示空間で行われました。
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