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11月16日ランチミーティング


問屋町スタジオ インスタレーション:川松康徳

Dance Well石川実行委員会では、Dance Well終了後ほぼ毎回、食事を取りながらその回の内容や感想、これからどうしていくかを話し合っています。


今回のDance Wellは初めてパーキンソン病(以下PD)の方がいない中で開催しました。

総勢16名あまりの老若男女問わず多くの方に参加いただきましたが、何かが足りないような、そんな不思議な感覚が生まれて、その事について多く話し合いました。


普段のクラスにあるような繊細さが何かしら、失っているような気がする、という点を中心に話し合いが行われました。その中で私が思ったのは、いい意味でも悪い意味でも、無意識に自分と他人は同じで、共通の価値観と共通の身体を持っているという前提があるのでは、と思いました。


いい意味は言わずもがな、という処もあるので割愛しますが、悪い意味では、同じだ!と思うから他人と自分を比べたり、審査したり、同調圧力が働いたりするのでは、と思いました。


私が海外でダンサーとして活動してきた経験の中では、同じ人は一人もおらず、圧倒的に違いがある事ばかりです。自分には永遠にできないだろうな、と思う事を簡単にしてしまうダンサーもいるし、自分にはとてもそんな発想はない!という発想を次々と繰り出すダンサーや振付家もいます。逆に自分では普通の発想や動きが他から見るととても魅力的で、他にはいないと評価を受けることもありました。


その中で学んだのは、全く違うけれど、同じ人間だな、ということです。


身体能力、発想、人種、言語、思考、趣味、好み、容姿、性格、全て違うけれど、誠実に今ここにいる場を共有している、自分の人生や生き方について真摯に向き合っている、それだけで十分だと感じました。


今回PDの方がいらっしゃらなかった中で繊細さが失われているかも、というのは、私は他人と自分の違いを認識する幅が少なかったからでは、と思いました。PDの方にとってDance Wellは実りある場であると信じていますが、私も含めPDでない人たちの方がもしかしたら多くを受け取っているのかもしれません。

自分と他人は違う、でも同じだ、と毎回教えてくれます。そしてこの場を審査の場や、損得の場や、競争の場から遠ざけて、共有し自分や他人と向かい合う誠実な場にしてくれます。


Dance Wellが福祉の場ではなく、アート活動である所以はここにあるように私は思っています。


書いた人:山田洋平





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